C社の実例
社員のモラールアップは人事制度の改革から
〔C社の問題点〕
毎年の昇給や昇進は経営トップの専管事項で、人事制度が未整備の状態で、個人ごとに経営
トップが決めていました。
それ故、経営トップの負担が過重になる一方で、管理者の人事管理能力は当然ながら全然向上
しない状況でした。
業容が拡大し、社員数の増加と共に、今のやり方は限界に達しました。
〔改善の方向性〕
社員のモラールを高め、社員一人ひとりがヤル気を出して積極的に職務に取り組み、仕事に生きがいを感じさせる、「職能資格制度」を基軸とする「能力主義人事処遇制度」を整備することとなりました。
〔具体的な解決策〕
(1)明快な資格等級基準による社員の等級区分
(職能資格制度の設計)
(2)社員個々人の能力・実績・執務態度の公平・公正な評価
(人事考課制度の設計)
(3)資格等級に応じた賃金と、考課制度の昇給・賞与への反映
(能力主義賃金制度の設計)
(4)等級別の能力開発目標の明確化
(能力開発制度の設計)
(5)上記の4つの制度が有機的に結合したトータル人事システムの確立
〔C社への支援が成功したポイント〕
(1)事前に全社員に「意識調査」を実施し、どんな人事処遇制度、どんな賃金制度・退職金制度が好ましいか調査し、社員の意見をできるだけ汲みあげ、それを設計段階で取り入れたこと。
(2)事前に「職務調査」を実施し、それを等級区分や能力給の設計に十分生かしたこと。
(3)経営トップや幹部社員とのコミュニケーションを密にし、細心の注意を払って社員のモラール・ダウンの防止、将来の資金負担のシミュレーション、人事評価項目・要素の選定等を進めたこと。
(4)複数の案を提示し、その案を会社で十分検討していただき、その時点で最良と思われる案を選定していただくという手法を、どの制度設計の段階でも取り入れたこと。
(5)懸案となっていた年代層間のアンバランスや、男女差、部門間の調整がうまく解決できたこと。